遺骨細加工のマナー、散骨行為のマナー
自然葬を実施するときには火葬後の遺骨を細かく加工する必要があります。
自然葬は個人の意思で決定する近代の遺骨葬法ですが広く社会に受け入れられる為にも人骨と判別できない大きさに細かく加工するのがマナーです。何ミリ以下に細かくしなければいけない規定がある訳ではありません。
散骨マナーとしてのほか、自然界の土の一部として土に還りやすい状況をつくります。海洋葬として散骨する場合も海の自然に馴染むように細加工を施します。加工しないまま散骨すれば、海を糧に生活する漁師の方々に迷惑がかかる心配があります。節度ある自然葬のために遺骨を細加工すると共に公共と個人に迷惑がかかる散骨場所を避ける配慮が必要です。川や渓谷への散骨希望もありますが飲料水に利用されてい河川もありますので公共の感情に触れる問題があります。川や海の橋の上から散骨することもできません。散骨作法の点からも物理的にも海面までの距離が遠過ぎます。定期便の船やフェリーからの散骨行為も許されません。「散骨」と言う言葉からイメージを誤解される恐れがありますが、葬送としての散骨は落としたり投げたりしてはいけないのです。
細加工の法律・改葬手続き
墓地埋葬に関する法律ができた時代は遺骨を細かく加工するようなことは想定されていませんので身内の遺骨に手を加えることは法律の適用外であり、問題はありません。 火葬後の遺骨を拾骨する際にも係員は箸で遺骨を割って骨壷に納め易く教えています。
散骨を行う行為自体も法律に触れることはありません。しかし法律外と言っても公園や名所など人が集まる場所に散骨するのは許されません。魚釣りが好きだったからと言って海岸や砂浜に散骨するのも節度を越えています。
1991年10月(H3)には自然葬は「節度あればOK」と新聞紙上で法務省が公式見解を出しています。 この記事は海での散骨について公式見解が述べられていますが、土に還す自然葬も土地所有者の許可があれば同様の扱いで問題ありません。では自分の家の庭に散骨するのはどうでしょうか?他人名義の土地でなければ散骨自体は可能としても将来において不動産の売買や引越しがないとは限らず、悠久の葬りが故人に約束されない意味で後々問題が残ります。
自宅庭で遺骨を埋める行為は法律に違反します。埋葬と散骨の違いに注意しなければなりません。
ご先祖様の遺骨を取り出して自然葬に改葬を行う場合や遺骨を同じ墓の土に埋蔵する場合には役所への許可手続きは不要です。
墓や霊園等の納骨施設間を引っ越すときには管轄役所へ改葬届けを出す必要があります。 改葬許可証は引越し先の納骨施設に提出する書類として要求されます。ご先祖さまを自然葬に改葬する場合は遺骨の経歴が分れば改葬届、改葬許可証は不要です。 一般の自然葬実施お申し込みの場合には火葬済証明証をご提出ください。
刑法190条では、「死体、遺骨、遺髪、又ハ棺内ニ蔵置シタル物ヲ損壊、遺棄又ハ領得シタル者ハ三年以下ノ懲役ニ処ス」とあります。自然葬では山や海に散骨しますのでこの法律に触れるのではないかとの誤解があります。 しかし法務省刑事局は1991年10月「刑法190条の規定は社会的習俗としての宗教的感情などを保護するのが目的だから葬送のための祭祀(さいし)で節度をもって行われる限り、問題ない」との公式見解を出しています。 また墓地・埋葬法は伝染病等を防ぐため墓地以外での「埋葬」や「埋蔵」を禁じていますが厚生省(当時) も「同法は散骨のような葬送の方法については想定しておらず法の対象外で禁じている訳ではない」と 表明しています。
細加工にはコツ
遺骨細加工の方法ですが未経験の方がご自分で実行されると思わぬ失敗を招く事があります。準備と道具が万全でないと骨粒が飛んで回収不能になったり、遺灰が空中に舞ったり吸い込んだりします。遺骨を布袋に移した場合には布の織り目に微細な遺骨が目詰まり残留して回収できません。遺骨は火葬後すぐに水分を含み始めますので機械や加工道具の一部に付着して回収できなくなる事があります。また静電気が発生して道具や骨壷に遺灰が付着します。火葬後の遺骨は硬い部分と宙に浮くような非常に軽い灰部分が混在していていますので簡単ではありません。遺骨の細加工作業には手順とコツが要ります。技術がある当苑の奉仕員へご相談ください。
失敗のない方法でお引き受け
アース自然葬苑では遺骨が機械や道具に残留しない独自技術で加工の全行程を手作業で行っています。
自然葬の為の遺骨細加工は現地においてご遺族お立ち会いの下、失敗のない方法で行います。 ご自宅安置の為の遺骨細加工は出張加工、墓地への出張作業も承ります。費用は「自然葬サービス一覧」のページをお読みください。改葬の為に空になった骨壷は当苑でお引取り、適切に処分いたします。
このような配慮も
遺骨を細加工すると容積が小さくなりますますので小型の専用骨壷や、蓋付陶磁器製の家庭用食器などに移し代えて自宅安置することが行われています。しかし遺骨保存の状態にも配慮が必要です。遺骨が湿気を帯びてカビが生えないように和紙に包んで空間には乾燥剤を置きます。また自宅安置や施設納骨では骨壷が地震で倒れて遺骨が散乱しないよう地震対策も必要です。地震の度に建物の被害がありますがお墓が倒れたり、骨壺もダメージを受けますのでまさかの地震に備える配慮を忘れてはなりません。
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